5.0
流し目の ー 国芳目もて合図
画面を飛び出す大胆な構図、実家(染物屋)仕込みの粋なデザインと色彩の着物。 擬人化された笑える作品、機知に富んだ風刺画、どこか憎めない悪役や妖怪たち。 さすが売れっ子・歌川国芳。 プロの仕事にちょっとした遊びを添える姿勢が、本当にイケてると思います。 流し目のラインをピッと一本引けば事足りるはず。 ただの流し目に思われたその目尻を単眼鏡で覗いたとき、息をのむほど緻密な世界があったんです。 「…見つけちゃったんじゃない?」 「ただのブロマイドに、ここまでやる?」 そこに描かれていたのは、一本の線ではなく、一筋に重なる繊細な睫毛(まつげ)。 一本一本、精緻に引かれたその睫毛の並びが、結果的にあの流し目の目尻のラインになっている。 さらに目を凝らせば、はっきりとは主張しないけれど、綸子(りんず)の艶やかな気配や、上品にきらめく雲英(きら)が、静かに仕込まれている。 観ている側のそんな興奮と、国芳の「これ、気づく奴いるかな?」という不敵なニヤリ顔が、200年の時を超えてシンクロした瞬間でした。 奇才が遺した「まじめな悪ふざ… Read More












