この展覧会についてABOUT THIS EXHIBITION
1960年代から90年代にかけて、文学界に足跡を残し、現在も読み継がれている作家・辻邦生(1925–1999)。〈美〉への探求、緻密な構成と壮大なスケールによる作風、端正な文体に数多くの愛読者を持ちます。辻の文学は、小説という枠だけにとらわれず、他のさまざまな表現と静かに呼応していました。建築家の磯崎新・宮脇愛子夫妻と親交を重ねて互いに刺激し、銅版画家の山本容子とは挿画を通して協働する等、言葉とイメージが響き合う仕事を重ねました。
また、辻は学習院大学では文学部フランス文学科(現フランス語圏文化学科)教授として長年にわたりフランス文学を講じ、創作と教育の双方を行き来しながら、知的な交流の場を育んでいきました。1990年代には新聞のコラムなどでアート、映画、音楽などヨーロッパ文化の紹介者としても活躍。ファッション雑誌『マリ・クレール』で連載した「ある生涯の七つの場所」など、文学界のみならず、より開かれた読者層へと言葉を届けました。
本展は、辻の生誕100年を記念して、山梨県立文学館(甲府市)、軽井沢高原文庫(軽井沢町)、旧制高等学校記念館(松本市)、春日居郷土館・小川正子記念館(笛吹市)、清須市はるひ美術館(清須市)といった作家ゆかりの地で2025年4月より開催された展覧会の集大成というべきものです。
霞会館記念学習院ミュージアムに所蔵される膨大な辻邦生の文学とその広がりを多角的に紹介。前期〔Part1〕では作家と作品、創作の歩みに焦点を当て、後期〔Part2〕では人やモノとの関係に光を当てます。目玉となるのは、約6万点の辻邦生関係資料の中でも初公開となる、全100冊の日記です。辻がそれぞれの時代に何に悩み、何を学び、どのような答えへとたどり着いたのか。肉筆の言葉を通して、作品の背後にある思考形成や知の蓄積の軌跡を読み取っていただけることでしょう。また、作家旧蔵の原稿、創作メモ、日記、書斎、遺愛品などの資料を中心に、辻邦生の思考と創作の軌跡をたどり、紛争の絶えない現代において、文学がもつ意味をあらためて問いかけます。今回の展示をきっかけに初めて辻に出会う方への、新たな入口として、“大学ミュージアム”ならではの視点で構成しています。
開催概要EVENT DETAILS
| 会期 | 2026年3月14日(土)~2026年5月16日(土) |
|---|---|
| 会場 |
霞会館記念学習院ミュージアム
|
| 展示室 | 特別展示室 |
| 住所 | 東京都東京都豊島区目白1-5-1 |
| 時間 |
10:00~17:00
(最終入場時間 16:30)
|
| 休館日 |
日曜・祝日、5月3日(日)〜6日(水) ※3月20日(金・祝)、4月12日(日)は開館 |
| 観覧料 | 無料 |
| TEL | 03-5992-1173(直) |
| URL | https://www.gakushuin.ac.jp/univ/ua/ |
霞会館記念学習院ミュージアムの情報はこちらMUSEUM INFORMATION
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出展作品・関連画像IMAGES
旧制高等学校時代から急逝するまで書き続けた日記『JOURNAL』
高輪自宅の書斎にて 1996年6月
辻邦生 高輪自宅の書斎にて 片山摂三撮影
パリ留学時代の「傑作マンガ集」より 1957-62年頃
渡航中のイラストブックより 4等船室の丸窓から見た地中海 1957年10月6日
『春の戴冠』自筆原稿革装幀本 笠原三津子装幀 1972年頃
『嵯峨野明月記』創作年譜 1968-71年頃
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