5.0
カール・ヴァルザーの彫琢
館内の垂れ幕は大阪中之島美術館名物になっているんだけど、今回もそれがおしゃれだった。水色の地にうすベージュ色で文字が書いてある。国立国際美術館コレクション展で見た、エミリー・カーメ・ウングワレー「私の故郷」を思い出した。 カール・ヴァルザーの絵は厚紙に描かれているからか、全体の色調が暗く平面的。板みたいに見える。そこに細い線で細かく描き込んであるのが独特。「人形の乳母車と少女」では、白い雪景色のなか木々の枝が黒く細かく描いてある。細い枝々が目立って装飾的だった。「森」の木々も葉がびっしりと描き込まれている。そうやって全体的に細かい描き込みがされているので、絵の焦点が掴みにくい。そこが画面に光が溢れて、画家が見た視点で風景が描かれている印象派と違うなぁと思った。 そして、そういった細かい描き込みと暗い色調が日本を描くのにぴったりだったのではないかと思う。祇園祭や歌舞伎を描くのに、夜や舞台の暗さ、闇の中のぼんやりとした光、山鉾の様子や舞台の造作の描き込みなど彼の絵の特徴が活きていた。 その細かい描き込みでお庭の松の葉もびっしりと描き込んで欲しかったんだけど、日本を描いた作品は風景を… Read More














