この展覧会についてABOUT THIS EXHIBITION
美しい花々の咲く庭園、優美な花柄があしらわれたインテリアなど、今日の英国の暮らしに草花は欠かせない存在です。北方に位置し、かつて限られた植物しか自生しなかった英国の人々は、世界の花々を飽くなき探究心をもって追い求めました。本展では、英国で大きく隆盛した植物学とボタニカルアート(植物画)から、その象徴ともいえる植物図鑑『カーティス・ボタニカル・マガジン』を中心に、大国として発展した英国の一面を辿ります。
1760年に即位したジョージ3世と王妃シャーロットの治世は、世界各地の植物収集や国内の庭園整備などを英国王室が支援したことで、王室と植物学に深い繋がりが生まれた時代でした。シャーロット王妃は、自身も植物画を学び、熱心に植物学に傾倒したことで知られています。
1787年に『カーティス・ボタニカル・マガジン』が創刊されると、植物画は学者や貴族のみならず市民の手にも渡るようになりました。一点ずつ手彩色された花々は、カラー印刷・写真のないこの時代の人々の暮らしを彩り、彼らの教養の底上げにも寄与しました。
植物画を愛したシャーロット王妃は、一方では陶磁器産業の発展にも貢献しました。1759年にジョサイア・ウェッジウッドが創業したウェッジウッドの製品を注文した王妃は、「クイーンズウェア(女王の陶器)」の称号を与えて同社を王室御用達として庇護しました。
こうした調度品の中には、ジョサイアの息子ジョン・ウェッジウッドの提案で生まれた「ダーウィンリリー」をはじめ、しばしば植物の姿がとり入れられました。英国では草花を用いたデザインが数多く生まれていますが、その背景には英国人の植物への憧れを感じずにはいられません。珍しい花々を初めて目にした当時の人々に思いを馳せつつ、色とりどりの植物の姿をお楽しみください。
開催概要EVENT DETAILS
会期 | 2025年4月24日(木)~2025年6月29日(日) |
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会場 |
高知県立美術館
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住所 | 高知県高知市高須353-2 |
時間 |
9:00~17:00
(最終入場時間 16:30)
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休館日 | 会期中無休 |
観覧料 | 一般前売 1,040円 一般当日 1,300円(1,040円) 大学生 900円(720円) 高校生以下 無料
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TEL | 088-866-8000 |
URL | https://moak.jp/event/exhibitions/post_553.html |
高知県立美術館の情報はこちらMUSEUM INFORMATION
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出展作品・関連画像IMAGES

ピーター・ヘンダーソン《ゲットウ(ショウガ科)》1801年 銅版、手彩色、紙 Photo Brain Trust Inc.

シデナム・ティースト・エドワーズ《イクシア・チネンシス(アヤメ科)》1792年 銅版、手彩色、紙
Photo Brain Trust Inc.

《ライラック(モクセイ科)》1793年 銅版、手彩色、紙
Photo Brain Trust Inc.

シデナム・ティースト・エドワーズ《パンクラティウム・アマンカス(イスメンアマンカ)(ヒガンバナ科)》1809年 銅版、手彩色、紙
Photo Brain Trust Inc.

ジョセフ・ダルトン・フッカー、ウォルター・フッド・フィッチ《マグノリア・カンベリィ(モクレン科)》1855年 リトグラフ、手彩色、紙
Photo Brain Trust Inc.

ウェッジウッド《蓋付き深皿(クイーンズウェア)》1765-95年頃 クリームウェア(陶器)、エナメル彩
Photo Michael Whiteway

ウェッジウッド《蓋付き深皿、玉杓子(クイーンズウェア)》1800年頃 クリームウェア(陶器)
Photo Michael Whiteway

ウェッジウッド《ポートランドの壺》19世紀(1790年デザイン)ジャスパーウェア(炻器)
Photo Michael Whiteway

ウェッジウッド《平皿「ダーウィン・ウォーター・リリー」》(ダーウィン・サービスより)1808-11年 アースンウエア(陶器)、エナメル彩
Photo Michael Whiteway