この展覧会についてABOUT THIS EXHIBITION
府中市美術館では2001年秋に「司馬江漢の絵画 西洋との接触、葛藤と確信」を開催し、その後、2005年の「百花の絵」以降、毎年春に江戸絵画を中心とする展覧会を開催してきました。都立府中の森公園の桜や若葉とともに春の風物詩としてお楽しみいただけたら、との願いもあり、途中から「春の江戸絵画まつり」と呼ぶようになりました。このシリーズは今回で幕を下ろしますが、シリーズに欠かせなかった画家の一人が、江戸時代中期の画家、長沢蘆雪です。
美術の魅力や価値は時代によって変わります。例えば伊藤若冲は、明治時代から根強い人気があった画家ですが、サイケデリック・アートも流行していた1970年、辻惟雄氏の著書『奇想の系譜』によって、その鮮烈で奇異な表現が注目されました。また、2000年に京都国立博物館で開催された「没後200年 若冲」展を機に、コンピューターを使ったグラフィックや映像が普及した時代らしく、細密さや色彩の凄みに多くの人が魅了されるようになりました。そうして今日の若冲の人気が確立されたように思われます。
蘆雪も同様です。明治36年(1903)の藤岡作太郎の『近世絵画史』では、ときにアイディアと構成力は応挙を上回ると評価され、大勢いる応挙の弟子の中で呉春とともに真っ先に挙げられながらも、「覇気」が溢れ出てしまい応挙のような落ち着きや深みがない、と書かれています。ところが、辻氏の本ではその「覇気」が逆に奇想として注目され、一躍、日本美術のスターの一人になったのです。
そして21世紀。たくさんのキャラクターや動物が人気を集める時代にあって、蘆雪のもう一つの魅力が脚光を浴びるようになりました。それが「かわいい」です。子犬や動物、子どもたちを描いた蘆雪の作品は、見ているだけで胸が苦しくなるほど、愛おしさに溢れています。きっと大昔から、人々は小さなものやかわいいものに心を寄せてきたことでしょう。蘆雪はそうした心を一枚の絵画の中に表現し、江戸時代きっての「かわいいもの描き」となったのです。蘆雪の根っこにある禅の思想や、命あるものを慈しむ仏教の教えも見逃せません。
かわいいものに加えて、風景や人物、ファンタスティックな世界など、蘆雪の絵画は多彩です。東京初となるこの蘆雪展では、春の江戸絵画まつりで注目してきた蘆雪のさまざまな創作を振り返りつつ、「21世紀の蘆雪」をお楽しみいただきます。
開催概要EVENT DETAILS
| 会期 |
2026年3月14日(土)~2026年5月10日(日)
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|---|---|
| 会場 |
府中市美術館
|
| 展示室 | 2階企画展示室 |
| 住所 | 東京都府中市浅間町1丁目3番地(都立府中の森公園内) |
| 時間 |
10:00~17:00
(最終入場時間 16:30)
|
| 休館日 |
月曜日 ※5月4日は開館 |
| 観覧料 | 一般 800円(640円) 高校・大学生 400円(320円) 小・中学生 200円(160円)
|
| TEL | 050-5541-8600(ハローダイヤル) |
| URL | https://www.city.fuchu.tokyo.jp/art/ |
府中市美術館の情報はこちらMUSEUM INFORMATION
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出展作品・関連画像IMAGES
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