この展覧会についてABOUT THIS EXHIBITION
不知火美術館は、熊本県菊池市龍門アーティスト集合スタジオを拠点に活動するつん(1981年、福岡県北九州市生まれ)の個展を開催します。本展は、国内外の美術館におけるつんの初個展となります。
つんは、10年前から「あなぐまち」と名付けた「まち」を制作しています。「あなぐまち」を構成するのは、段ボールで作られた「団地」です。同じような外観の一般的な団地や集合住宅は、均一性や匿名性の象徴のように見えますが、そこで生きている人々に目を向けるとき、その印象は一変します。さらに、つんの眼差しは人間だけでなく、石ころのようなごく平凡なものや目に見えないものにも向けられます。「800世帯」におよぶ小さな部屋の一つひとつには「くつした」や「レジャーシート」、「ゆげ」などの「住人」がいて、それぞれに「住民名簿」があります。
多岐にわたる素材はすべて、私たちの身近に存在するものです。制作時に出た段ボールの端切れでさえ集められ、作家はその泥団子のような塊を「赤ちゃん」として慈しみ、新しいかたちを与えます。モノクロームの団地は、作家のこれからの人生をあらわしており、そこにすべて色が与えられるのは、作家自身が生を終えるときだと、つんは言います。
「あなぐまち」という名前は「あたまのなかのぐたいてきなまち」に由来します。それは幼少期よりつんが心の拠り所としてきた空想の世界でありながら、作品として生み出され、作家の生と分かちがたく結びついた現実の存在でもあります。人間も生き物も、目に見えるものも見えないものも等しく生命アニマを与えられた「あなぐまち」の住人たちとその世界は、誰一人拒絶することなく受け入れます。そして、その愛らしい表情の奥には、「現代美術」という枠組みを超えて、生と死そして芸術という人間の根源的な営みそのものに迫る切実さを宿しています。
開催概要EVENT DETAILS
会期 | 2024年7月13日(土)~2024年9月16日(月・祝) |
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会場 | 宇城市不知火美術館 Google Map |
住所 | 熊本県宇城市不知火町高良2352 |
時間 |
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休館日 |
会期中無休 展示室は展示入替日、メンテナンス時のみ閉室 ミュージアムショップ、アトリエは閉室日なし |
観覧料 | 大人 300円 高大生 200円 中学生以下 無料
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TEL | 0964-32-6222 |
URL | https://www.museum-library-uki.jp/museum/ |
宇城市不知火美術館の情報はこちらMUSEUM INFORMATION
講演会・イベント情報EVENT INFORMATION
◆ つんによるギャラリートーク
2024年7月13日(土)15:00-15:30
会場:展示室
定員:20名
料金:無料(要展覧会チケット)
受付:申し込み不要、当日先着順
◆ ワークショップ
「コマ撮りアニメを作ろう」
2024年7月20日(土)、8月11日(日)14:00-15:30
会場:アトリエ大
定員:8名(対象:小学生以上)
料金:無料
持ってくるもの:スマートフォン・タブレット・PC(カメラ機能付き)のいずれか。撮影したい対象があれば持参してください。
受付:6月25日からカウンターまたはお電話にて
◆ ワークショップ
「ダンボールのお花で花束を作ろう」
2024年8月18日(日)①10:00-12:00②13:00-15:00
講師:つん
会場:アトリエ(大)、展示室
定員:10名(対象:5歳以上、未就学児および低学年は保護者同伴)
料金:無料
受付:7月1日からカウンターまたはお電話にて
◆ アーティストトーク
2024年9月1日(日)14:00-15:00
会場:ブック&カフェエリア
定員:20名
料金:無料
受付:8月1日からカウンターまたはお電話にて
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