この展覧会についてABOUT THIS EXHIBITION
ドイツを拠点に活動する西川勝人(1949–)は、光と闇、その間の漠とした陰影に心を配り、多様な技法を用いた作品を、40年以上にわたり手がけてきました。抽象的なフォルムをもつ彼の白い彫刻は、木や石膏を用いた簡素な構造ながら、表面に淡い陰影を宿し、周囲の光や音さえもそっと吸い込んでしまうように、ただ静かにあります。存在を声高に主張することも、個性を高らかに示すこともしません。写真や絵画など、彫刻以外の制作においても、これは変わることのない最大の魅力です。
本展は、1980年代より現在まで、一定して静けさという特質を保持し続ける西川作品の美学に触れる日本初の回顧展です。彫刻、写真、絵画、ドローイング、インスタレーション、建築的構造物の約70点が、作家自身の構成によって展示されます。静寂が拡がり、淡々とした時が流れる空間で出会うのは、きっと私たち各々の内なる静謐さでしょう。日常から隔たった美術館という場において、観想に耽る一人ひとりのための展覧会です。
◆ 西川勝人(にしかわ かつひと)
1949年東京生まれ。美術を学ぶため、関心を寄せていたバウハウス誕生の地ドイツに23歳で渡り、ミュンヘン美術大学を経て、デュッセルドルフ美術大学でエルヴィン・へーリッヒに師事。1994年以降、ノイス市にあるインゼル・ホンブロイヒ美術館の活動に参画し、美術館に隣接するアトリエを拠点に活動。自然との融合を意識したプロジェクトや、彫刻、平面から家具まで、異なる造形分野を横断しながら制作。シンプルな構造と簡素な素材を用い、光と闇、その間に広がる陰影について示唆に富んだ作品を生み出し続けている。現在はハンブルグ美術大学名誉教授として後進の指導にもあたる。デュッセルドルフ市文化奨励賞受賞。
開催概要EVENT DETAILS
会期 | 2024年9月14日(土)~2025年1月26日(日) |
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会場 |
DIC川村記念美術館
![]() |
住所 | 千葉県佐倉市坂戸631 |
時間 |
9:30~17:00
(最終入場時間 16:30)
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休館日 |
月曜日 (ただし祝日の場合は開館し、翌平日に休館) 12月24日(火)~2025年1月1日(水) |
観覧料 | 一般 1,800円 学生/65歳以上 1,600円 高校生以下 無料
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TEL | 050-5541-8600(ハローダイヤル) |
URL | https://kawamura-museum.dic.co.jp/ |
DIC川村記念美術館の情報はこちらMUSEUM INFORMATION
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出展作品・関連画像IMAGES
![](https://www.artagenda.jp/img/event/10010/main_4.jpg)
西川勝人《根》1994年 作家蔵
©Katsuhito Nishikawa 2024
![](https://www.artagenda.jp/img/event/10010/main_1.jpg)
西川勝人《段丘》2013年 作家蔵
©Katsuhito Nishikawa 2024
![](https://www.artagenda.jp/img/event/10010/main_2.jpg)
西川勝人《シントラ》2009年 作家蔵
©Katsuhito Nishikawa 2024
![](https://www.artagenda.jp/img/event/10010/main_3.jpg)
西川勝人《蓮》1998–2000年 作家蔵
©Katsuhito Nishikawa 2024
![](https://www.artagenda.jp/img/event/10010/main_5.jpg)
西川勝人《無題》1986年 作家蔵
©Katsuhito Nishikawa 2024
![](https://www.artagenda.jp/img/event/10010/main_6.jpg)
西川勝人《池のほとり》2010年 作家蔵
©Katsuhito Nishikawa 2024