4.0
黒と白の情緒
1月の初めに訪問しました。
モノクロームの版画の中に人間のドロっとした奥行きのあるドラマが秘められてるように見えました。構図はわりとシンプルなのに、そこから感じる情報量の多さに驚かされました。
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19世紀末のパリで活躍したナビ派の画家フェリックス・ヴァロットン(1865-1925)は、黒一色の革新的な木版画で名声を得ました。独特の視点と多様な表現、そして卓越したデザインセンスをもつヴァロットン作品は、まるで解けない謎のように今でも私たちを魅了してやみません。中でも真骨頂ともいえるのが、木版画です。
三菱一号館美術館は、世界有数のヴァロットン版画コレクションを誇ります。希少性の高い連作〈アンティミテ〉〈楽器〉〈万国博覧会〉〈これが戦争だ!〉の揃いのほか、約180点のコレクションを一挙初公開します。黒と白のみで作り出された世界に焦点をあて、未だ捉えきることができないヴァロットンの魅力に迫ります。
また、三菱一号館美術館と2009年より姉妹館提携を行うトゥールーズ=ロートレック美術館開館100周年を記念した、ロートレックとの特別関連展示も併せてお楽しみください。
会期 |
2022年10月29日(土)~2023年1月29日(日)
設備入替および建物メンテナンスのため、2023年4月10日から2024年秋まで全館長期休館中
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会場 | 三菱一号館美術館 Google Map |
住所 | 東京都千代田区丸の内2-6-2 |
時間 |
10:00~18:00
(最終入場時間 17:30)
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休館日 |
月曜日 12月31日、2023年1月1日 ※但し(トークフリーデー:11月28日、12月26日)、2023年1月2日、1月9日、1月23日は開館 |
観覧料 | 一般 1,900円 高校・大学生 1,000円 小・中学生 無料
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TEL | 050-5541-8600(ハローダイヤル) |
URL | https://mimt.jp/vallotton2/ |
SNS |
4.0
1月の初めに訪問しました。
モノクロームの版画の中に人間のドロっとした奥行きのあるドラマが秘められてるように見えました。構図はわりとシンプルなのに、そこから感じる情報量の多さに驚かされました。
5.0
とても好きな展覧会だった。ヴァロットンの室内画がとても好きだなと思って、室内に描かれた時計や水差しみたいな、こまごまとした品をじっくり見てしまった。展示室もおしゃれでヴァロットン版画のおしゃれさに負けていなかった!皮肉っぽさや風刺の要素を感じられるところもとても好き。
5.0
展示を説明とともにゆっくり鑑賞出来ました。
19世期末のパリの世界にどっぷり浸かりました。
ヴァロットンの絵の構図や人の表情やフォルムの表現のセンスに感心しました。
良いものは、残っていくのだなとも思いました。
展示品の解説や、レイアウトもとてもしっかり考えてあるように思えました。
一部屋だけ、撮影して良い部屋があり40作品程写真を撮れました。
とても嬉しかったです。
観賞後、ミュージアムショップでポストカーカードと図録だけ購入しました。
美術館スタッフのホスピタリティー素晴らしく、全てに置いて気持ちよく過ごせました。
ありがとうございました。
5.0
アンティミテⅠの「噓」のポスターに魅了され、ドキッとさせられ行ってみたいと・・・。アンティミテの連作を見ていたら、官能的とか妖しいだけではすまないストーリーが感じられて面白かったです。社会風刺を描くにしても、コミカル、マンガチックで
目じりが下がり、現実の世界で悲惨な耐えがたい映像を見せられることが多い昨今に、ホッとさせられました。単純化された人物の顔が可愛い。特に女児。それと服装も白黒で多彩?に表現しているなぁと。タンタンに似ている人もあちこちに。楽しませて頂きました。
4.0
黒一色の木版画。シンプルで大胆な構図なのだが、そこに描かれた世界は何とも不可思議だ。就中、「アンティミテ」の連作10作品で描かれた男女の気持ちのありようはお互いだけでなく、作品を見るわれわれにも想像が難しい。その間にはまさに「深くて暗い河」がある。柔らかいタッチでときにユーモアの気配すら漂うヴァロットンの木版画だが、透徹した作者のさめた視線が常に感じられる。
4.0
実に卓越の木版画でした。圧倒的画力に裏付けがなせる技。
デザイン的、時にはコミック的にも見える作品群は、どれも実はリアリティに満ちてました。
風刺的な作品には不安な空気が漂い、「アンティミテ」では男女の不穏さが匂ってきます。
ドラマの重要なシーンを切り取ったような、ストーリーが観る側に迫ってきます。
撮影可の部屋の設営も美しくデザイン化されて、とてもヴァロットンの世界観にふさわしかった。他の部屋でもちょっとした投影の工夫があってグッド。
1/12(木)10:45入館。入館時は混雑無し。12時半ぐらいはちょっと混んでいた。
ひと部屋のみ撮影可。
4.0
ほとんどが版画作品なのでサイズは小さいが、訴える力は大きい。風刺のきいた作品や、美術館の所々に映し出される子供、猫、フクロウなどの動画も見ているだけで楽しい。
また、撮影OKの部屋もあるのでスマホでお持ち帰りできる。
ロートレックの作品も展示されていたのでお得な気分にもなれた。
5.0
三菱一号館美術館に行くこと自体がもう久々ぶり。
会場が小さいイメージしかなかったけれど、ルートの工夫のためか、以前よりもたくさんの小部屋があり、作品数も多く感じられました。また部屋から部屋へと移るときの頭上の壁やちょっとした隙間の壁に映し出される影絵、大きな壁に彼の版画を大きく描いてインパクトある展示、小部屋で彼の版画に動きを加えて映像化するなど、創育工夫が見られて本当に素敵な展示会でした。
学芸員の方々のご尽力に頭が下がります。楽しすぎの展示会でした。
ヴァロットンの名前は聞いたことがなかったのですが、ロートレックと同じ時代で活躍し、ロートレックの作品も展示されていてちょっと得した気分でした。
知らない画家にもチャレンジすることが大切、と思いました。
いい展覧会でした。
5.0
もしかしたら好き嫌いが分かれる作品かもしれません。
でも私は好きなジャンルでした。
あとライトでアートというのでしょうか?
猫が歩いていたり、フクロウがいたりしたりして、その遊び心が好きでした。
なぜ猫とは思いましたが…(どこかにヒントがあったのでしょうか。私は気が付きませんでした。)
3.0
連作を見ることでFélix Vallottonの伝えたいことがダイレクトに届けられたように感じました。アンティミテや万国博覧会はいいですよね。白黒でパリの雰囲気を感じられて凄いなあと思いました。途中の部屋で映像でヴァロットンの世界を映し出しているのが良かったです。
5.0
ヴァロットンといえば、以前に三菱一号館美術館でナビ派の展覧会が開催された際に≪ボール≫という絵画がお気に入りでちょっと気になっている画家でした。今回は「黒と白」という副題で木版画にスポットを当てた展覧会で、ヴァロットンの魅力に改めて気づかせてもらえる好企画でした。
普通なら色のない版画でサイズも小ぶりとなれば、メインの展示にはならず、おまけ程度になりそうなものですが、本展では「黒と白」だけの木版画で、十分に楽しませてもらえました。皆さんが感想に書かれているとおり、アニメーション化したりスライドショーで投影したりと展覧会の演出が秀逸で、ヴァロットンの魅力を最大限に引き出してくれた三菱一号館美術館のスタッフの皆様には拍手を贈りたいです。
4.0
楽しみにしていた展示。期待以上に良かったです。
ヴァロットンのブラックユーモア、デザインセンスには感銘を受けます。何よりも、今にも動き出しそうな躍動感ある大胆な構図が素晴らしいです。群衆、密室、死、などモチーフの選び方も興味深いです。
なによりも三菱一号館美術館のヴァロットンコレクションの素晴らしさ、そして今回の手の混んだ展示方法に愛情を感じました。
「アンティミテ」シリーズのアニメーション作品も良く、映像にする事で更にその世界を上手く伝えられているように思いました。
5.0
・作品の保存状態が相当いいと思う。徹頭徹尾素晴らしい状態のものが殆ど。これ油絵とかと違って版画の場合は結構すごいことじゃないかなって、ただの版画好きな素人ですがそう思いました。観終わって一番感じたのは、三菱一号館のスタッフさんの、そういう技術の凄さと作品への愛ですね。
・これも素人なんで小さい声でつぶやきますが、ぺたーっとした一色づかいって、もやっとしたりよれたりしそうですが、作品の黒い部分に本当にそういうのが全然ないので、刷りもすごいんじゃないかなぁと勝手に思いました。出口付近にヴァロットンのスタンプ台がありますが、喜んでチラシに押してみたら、これぞ素人という感じで見事に黒がもやもや(笑)。まぁもし万が一作品に後から着色してたとしたらショックですけども(笑)。浜口陽三が対談で「パリからアメリカに引っ越したら刷り師がいなくて大変だった」と言ってたのを思い出しました。
・展示演出が素晴らしい。ちょこちょこ映像あちこちに流してみたり、撮影OK部屋の壁にイラストっぽくキャラを抜き出して描かれていたり。「かわいい♡」って言ってほしいんでしょ!って感じで、敷居を下げようという作戦が色々と(笑)。基本は年代順なので作家の画業もわかりやすいし、最後の辺りでロートレックとか出してくる流れもいいと思った。撮影OK部屋が真ん中へんだから、それ考えたら構成も素晴らしいなぁと。
・黒色の使い方に作家の個性がすごく出てるので「黒と白」というタイトルは勿論その通りなんですが、本の展示がちょいちょいあって、そちらでは彩色の作品も観ることができそれもとても良かったです。
・作家に関してですが、1981年~1985年位の作品が圧倒されるようなすごい量で衝撃を受けました。アイデアや画面の構成力もすごいですけど、この作品量を考えるとエネルギーの塊みたいな感じですごいなぁと。
・物販に芸艸堂さんの刷りで「怠惰」が売ってて今も本気で購入するか悩んでます。たまたま一番いいと思った作品だった上に、まさかの・・・買っちゃおうかな・・・。
※展示リストは紙ベースの配布なし。「必要な方はダウンロードして」ね、なので、私のように紙リストに書き込んでいくタイプの方はご注意を。
5.0
モノクロのポスターを見て心惹かれるものがあったので出かけてみた。日曜ということもあり随分と混んでいた。初めて観るヴァロットンの版画は木版画を中心としたとても小さな作品。このサイズがとても良い。使われる色は黒と白のみ。簡略化された描線と黒く塗りつぶされた部分と白の明るい部分の使い分けが恐ろしいほど計算されている。日本の漫画にも通じるところがあり思わず笑ってしまうユーモアもある。観ておくべき展覧会。
5.0
ヴァロットンの画業を、初期から晩年まで、膨大な作品でたどります。
所蔵品を全て蔵出し?と思うくらいたくさんの作品が出展されていました。
版画だけどなくスケッチや油絵も珍しく、何を描いても巧いです。
浮世絵風の風景画も素敵でした。
廊下にヴァロットンの描いたフクロウが投影されていたり、画集は開いてあるページしか作品が見れませんが、そのほかのページの作品をモニターで紹介したり、演出に感心しました。
アンティミテを題材に映像化した作品が秀逸で、版画で見たときにはわからなかった、それぞれの作品のつながりに気づかされました。椅子もあるのでぜひ、じっくりご覧ください。
写真撮影もかなりOKです。
ロートレックとの対比も興味深かったです。
映像も見たので2時間、最初から最後まで充実した企画で、大満足です。
4.0
今まであまり見る機会がなかったカリカチュアが面白かったし、それも含めて肖像画は思いのほかよかった。
また、万博や戦争を扱ったもの、事件に群がる大衆を見ると、人間何年たっても何も変わらないんだな・・とつくづく思う。
人間の黒い部分を黒一色で表してはいるけれど、サイズと表情で何となく可愛く見えてしまうのが魅力。
ロートレックがたくさん出ていたし、19世紀末~20世紀初頭という大好きな時代を楽しめた。
以前からヴァロットンの描く子供の顔が、どこかで見たことあると思っていたら、「にんじん」の挿絵だったとは。
5.0
三菱一号館美術館の膨大なヴァロットンコレクションは素晴らしいの一言で、
美術館の荘厳な設えに、黒と白の版画が浮き上がります。
美術展装飾の仕掛けも然りで、
グレイッシュなベースカラーにモチーフが飛び出し作品に色を添えます。
袋小路の壁の奥や、暖炉の上にモチーフの猫や子供たちがまるで作品を覗き込むように影となって現れたり、
時代系譜のサインも影の投影で数字が浮き上がったりと、ディテールにもとてもこだわりのある演出で楽しかったです。
作品の中の皮肉たっぷりのユーモラスな場面や表情が何ともお茶目で思わず吹き出しました。
中でも茶目っ気たっぷりのおじちゃん&おばちゃんの表情にくぎづけでした。
ミュージアムグッズも種類に富んでいてどれも素敵です。
特に額装する事を想定して作られていたボストカードと枠の組み合わせがとてもいいアイデアだと思いました。
5.0
初期から晩年まで多くの作品が揃い見応えが有る。
途中絵画や色付きの版画も手掛けるが彼の単純化された表現にはモノトーンが最適で人を引きつける魅力が有る。
特に富裕層や権力者を皮肉った作品はニヤリと笑える。
有名人の肖像版画は人柄が出ていて秀逸。
徐々に白より黒が増していき見えない部分が物語るようになり傑作が生まれている。
特に1896年作「怠惰」は黒と白だけで沢山の模様を表しバランスも良く素晴らしい。
二番目の部屋のみ撮影可。
会場の所々で壁に不意に現れる猫や梟、少女を見つけて。
中間では撮影可の作品動画も有る。
入口でパンフレットを手に入れ、アートショップを出た所で記念のスタンプをパンフレット裏に押してみよう。
来館時期により絵柄が変わるらしい。
黒白コーデ割引も有り。
5.0
以前、町田市立国際版画美術館で初めて見たヴァロットン木版画。
モノトーン、余白のある構図など、ストーリーにも引き込まれます。想像力がかきたてられます。とても魅力的で、ますます好きになりました。
5.0
「漫画を描くなら参考にする写真はカラーではなくモノクロがいい」
という言葉は昭和のHowTo本にあった言葉だが
「線とベタであらわされる絵においてはモノクロ写真が最も
コントラスト、白黒のバランスの参考に適している」
ということだ
「色」という情報を排したとき、
パッと鑑賞者の目に的確に必要な要素を飛び込ませる
それはやはり画面における白と黒の配分であり
絵という作業環境にデジタルが深く入り込んだ現代において
多くの作家が見落としている。無視しているところだと思う
この展示は改めて白と黒であらわされる世界表現の豊かさと奥深さと面白さを体感させてくれる
そして描かれる人物や情景の過度に嫌味にならない「漫画的」「風刺的」表現も魅力的だ
特に風刺的な要素というのは実のところバランスが難しいジャンルで
これだけダイレクトに、それでいて面白くユーモアをもって見せてくれるのは圧巻である
人物の表情、佇まい、しぐさ、
時折ニヤリとさせて、そしてギョッとさせてくれる
改めて線とベタで表現されるモノトーンの表現の凄さを感じさせてくれる展示だ
5.0
木版画なのに、こうも立体的で奥行きのある表現がすごくて、じっくり一枚一枚見つめてきました。
連作になっているものは物語を自分で想像して楽しんだり、作品同士のつながりを考えるのが面白かったです。
映像コーナーで連作が動いてつぎつぎとつながっていく作品がみられてとても楽しかった!!
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