改組 新 第7回日展
大阪市立美術館|大阪府
開催期間: ~
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今年も日展。素人の、好みの作品の感想です。
日展に通うようになって数十年、改組からももう7回目を数えるんですね。日展には日本の美術界の保守本流がたっぷり。厚みのある時間が流れています。今年、コロナ禍の中、開催してくださってとても嬉しいです。
大阪開催の天王寺美術館を拝見しました。時節柄か、土曜日でも例年の平日よりも人が少なく、じっくりゆっくり鑑賞できました。作品の一つ一つを独り占めしながら、好きなペースでみていける機会はなかなかないことです。人が少なくて嬉しい、と言ったら不謹慎ですが・・
1Fの彫刻から。ピンと引き締まったフォルムはまわりの空間にまで広がって、作品群を取り巻く空気の密度が濃いように感じられます。これこれ、日展の空気ってこうよね。力の入った作品が所狭しと並べられて、オーラなんか重なり合っちゃってるこのカンジ。濃い空気。贅沢な時間。好きな作品のうち2つくらいの感想を書いていきます。『風に舞う』はそんなに大きい作品ではないのに、本当に風を感じる空間の広がりを持つ作品で、乙女の可憐さが好ましい。そして『臥ゆ』のフォルムがなんともいえず心地よい。なまめかしくもあり苦悩の姿のようでもあり、惰眠からの目覚めのようでもある。
洋画。『白い刻』なんと爽やかな。凛とした女性の立ち姿、シャープなドレスのラインの主張が印象的。好きだなーこの絵。『渓聲』画面いっぱいの迫力、グイグイ迫ってくる。力強いのに優しい。岩も石も地球の一部なんだとわからせてくれるような絵です。
工芸は多種多様な作品がいっぱいで楽しい。面白いと思ったのは『供エノ器』ぽってりとしたフォルムにリズミカルな文様が文字だか記号だか、ワクワクする。ナデナデさせてほしーなーと思ってしまう。『未来へ』という赤い漆のこの色が好き。そして私はやっぱりぽってりとした形が好きなんだな、とわかりました。
日本画。『衣』美しい。日本画の色合いの美しさ。カラフルでも落ち着いた調和、派手がシックなんだ。『休息日』の空間感も好き。『初詣』はずっとみていたい絵ですね。この二人の人柄、関係性、暮らし、生い立ち、ずーっと想像してられる。背景も描き込まれていて飽きない、楽しい絵です。
書も素敵でしたが、感想を言葉に変換するのが難しいので割愛させていただきます。
ロビーで流れている作品解説の動画もよかったです。今年は作品解説無しなので、ってことでしょうが、仕事を持つ身ではなかなかプログラムのある日に美術館には来られないので、動画にしていつでも見られるようにしていただく方がありがたいですね。同じ動画はたしか、HPからも視聴できますよね?東京・上野美術館で収録したのでしょう、大阪には無い作品もたくさんあってうらやましい。全国の作品となると膨大な数になるんでしょうが、出来ることなら全部みてみたいですね。今年も来年も、日展は続きますように。芸術が国の真ん中にあるということは、平和でしあわせなことなんだと今更ながらに思った次第です。最後まで読んでくださってありがとうございました。