小沢剛展 オールリターン ―百年たったら帰っておいで 百年たてばその意味わかる
弘前れんが倉庫美術館|青森県
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小沢剛展 オールリターン 百年たったら帰っておいで 百年たてばその意味わかる
弘前市にゆかりのある寺山修司に、野口英世、藤田嗣治、岡倉天心に加え、ジョン・レノンといった盛り沢山であり、それぞれがその時代にどう生きて、何を表現してきたのか。
どんな共通点や接点があるのかと最初は理解に苦しんだ。文化も生き方も違う個性的な面々が、事実とフィクションを交えた作品の中に収まっている。
歴史と時代、文化と環境、場所と土地、人と心が繋がり、歴史の再考や現在、将来・未来への葛藤や不安、期待も入り混じりつつ、生きた証がそこにはある。
作品と対峙して、答えやヒントはなかなか見つからないし、出てこない。浮かんでこない。でも、心の中でモヤモヤとするものがあるだけでいいんだと思う。
モヤモヤは時間がかかっても解消されてくる道標へと変わるキッカケそのものになる。答えを求め過ぎるあまり、余計に恐怖や不安が増大する。
答えは人それぞれにある。それぞれの生き方やタイミングで見えてくる。
「オールリターン」の意味、「百年たったら帰っておいで 百年たてばその意味わかる」まさにそのものだ。
絵画、映像、音楽で構成されている展覧会。ゆっくりとのんびりと、リラックスして何も考えず、先入観も予備知識も全く無くていい。寧ろ、そのほうがベストなくらいだ。無の境地で真っ新な心のキャンパスを持って出掛けたほうが良い。何を感じ、何を伝えようとしたのか。自分なりの色や構図で感じるままに表現する。正解も不正解もない。その人が感じたものが、その人がその時に心に響いたものがフィットした瞬間こそ、心地良い。
「日常」は作品の向こう側にある。