東京都美術館開館100周年記念 アンドリュー・ワイエス展
開催期間: ~
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筆致の素晴らしさと制作過程への興味を感じました
1974年に近代美術館のワイエス展を鑑賞し、とても印象深かったので今回の展覧会が楽しみでした。初日の午前中に鑑賞、初期の作品から水彩画画家としての数々の作品に圧倒されました。
筆致の勢い、時には日本の水墨画を思わせるぼかしやにじみの表現により、作者の立ち位置、季節、気温、時刻など・・を一緒に体感しているような感覚でした。目に触れた瞬間を勢いよく切り取ったのかと見ていると、その絵が出来るまでの数々の習作も展示されており、インスピレーションを大事に完成度を高めていった過程が良くわかります。
また、水彩、ドライブラシ、テンペラなどの技法について丁寧に解説している映像もあり、ワイエスが工夫を凝らして追求した表現への理解が深まりました。
ワイエスの生い立ちや人生と重ねると、だから寂しい暗い絵が多いのか、と納得しがちですが、もともとかなり裕福な家に育ち、大自然を愛し、ジェンダー、国籍、分け隔てることなく(あの時代に・・)というエピソードを知ると、とても優しくおおらかで、自然の小さな現象にまで目を輝かせている姿が想像できます。窓やドアなどのフレームを通す表現が死の世界との境界、という理解もありますが、その境界は固く冷たいものではなくいつでも行き来できるような柔らかいもののように感じました。これはわからないのですが、宗教観なのでしょうか?
テンペラ画の精緻な表現はあまりにも秀逸で感動的です。
一番有名な『クリスティーナの世界』を鑑賞したかったのですが展示が無く、実はあの絵はNY近代美術館保有で門外不出になっていると知り、残念でした。
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