焼絵 茶色の珍事
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茶色の珍事
最初は羽子板が展示してあった。板に溝みたいな輪郭線があって、彫刻刀で彫ってあるのかと思ったけどこれが焼絵らしい。
焼絵には得手不得手があるなと思った。強く熱した部分とそうでない部分で生じるグラデーションとか、茶色という色が持つ渋さとかは焼絵の強みだと思う。シイタケとか上手く表現できそう。焼絵のポテンシャルを考えながら鑑賞していた。
一方、白いものを描いているとよく見えない。これはキャプションにあった通り、経年による変化もあると思う。が、その長期保存が難しいところから、焼絵はテンポラリーな芸術のような気がした。わざわざ焼絵という技法を使ったこと自体に価値があるというか。玉乗りをしながら作ったバルーンアートという感じがする。
「これは素晴らしい絵ですね」
「実はこれは絵の具じゃないんですよ」
とお客を驚かせようとする数寄者の会話が想像できた。
中盤には朝鮮の焼絵が展示してあった。笛など木製品と焼絵の相性がいいのはわかる。塗料は使っているうちに剥げてしまうから。水墨画の知識があったら比較してもっと楽しめただろうなと思う。
最後に展示してあった辻野榮一氏の作品がいちばん面白かった。現代の焼絵作家。木の板に焼絵を施しているから、板の表面がちゃんとへこんでいる。辻野氏は、木の板に(架空の)植物を描いている。それがレオ・レオーニの平行植物みたいで好きだった。飾っていたら、
「なんですか、これは?」
から会話が始まりそうである。
今回チケットが当たって、浮いた1,600円でなぜかウォーホルのシールを買った。
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