弘法大師生誕1250年記念 特別展「空海と真言の名宝」
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空海の神秘体験
5.0
今回の展覧会で最も印象に残ったのは、空海にとって密教とは、文字による知識ではなく、自ら体験する真理だったということである。
空海は『御請来目録』で、真言密教の世界は奥深く文字だけでは表現し難く、経典で省略される重要な部分を図像が端的に示すと説いている。『大日経』『金剛頂経』を根本経典としながらも、真言、曼荼羅、仏像、儀礼などを通して真理を体得するところに密教の特徴がある。
その原点として特に興味深かったのが、若き空海の虚空蔵求聞持法の修行と「明星来影」の神秘体験である。空海は虚空蔵菩薩の真言を唱える修行を行い、明星が現れるという体験をした。これは単なる後世の伝説ではなく、空海自身が『三教指帰』に記し、『続日本後紀』の空海伝にも引用されている。
空海は、まず宗教的な体験をし、その後に密教という思想体系と出会った。だからこそ、空海にとって真理とは頭で理解するだけのものではなく、身体と心を通して体験し、実践するものだったのではないか。
今回の展覧会を通して、思想家としての空海だけでなく、強烈な神秘体験を出発点として、自らの思想と実践を築き上げた宗教者・空海の姿が見えてきた。
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- okika1126さん