北斎 冨嶽三十六景 井内コレクションより
開催期間: ~
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北斎版画の「うぶ」な裏面とは
4.0
実はそんなに期待していませんでした。というか、富嶽三十六景の全46点の展示は何度か見たことがありますし、画集も持っています。チュルリョーニス展を見に行ったら北斎の展示もあり、時間も体力にも余裕があったので、のぞいてみた……という感じです。
しかし、のぞいてみたら驚きました。少なくとも3つの点で「見て良かった」という気になりました。
まず、どれも状態がよく美しいこと。これだけで得した気分です。
そして、「凱風快晴」の別バージョンである「青富士」が展示されていること。凱風快晴は「赤富士」と呼ばれたりしますが、その赤を抜き、白地とし、富士山の輪郭線を太く青で描いている。
そして、3点だけ会場の中央に置いて、表と裏を見せる展示になっていることです。
版画の裏側を見せることにどういった意味があるのか、という気もしますが、解説にいわく「裏打ちのない『うぶ』な裏面に垣間見る馬楝(ばれん)の残痕は、まさに摺り師の執念と北斎との格闘の風景としてうかがい知れよう」とのこと。表には出ない痕が裏に散見されるのでした。ちなみに、図録では全作品の裏側が掲載されているので、なかなか壮観です。
もう一つ興味深いのは、46点の署名に注目して6つのグループに分類していること。富嶽三十六景がどのように出版されたのかはよく分かっていないそうですが、署名の違いで、北斎がどの絵を同時期に描いたかが推測できる。実際、《神奈川沖浪裏》や《凱風快晴》などの10点は「北斎改為一筆」とありますが、それ以外は「前北斎改為一筆」となっていたりします。
写真撮影可、図録あり。残念なことに展示の追加があって4月21日から「『神奈川沖浪裏』3点が集う未曽有の試み」となるそうです。まあ、行くなら追加されてからがいいように思えます。まあ、私は行きませんが…
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- BY komagataya