没後50年 髙島野十郎展
開催期間: ~
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小ぶりで個性的な松涛美で髙島野十郎に再会
4.0
髙島野十郎は、とても器用な画家だと思います。
スーパーリアリズムのような静物画、超細密の点描で作りあげた風景画、時折登場するシュルレアリスム的情景表現、「蝋燭」に代表される速筆の小品、そぎ落とした日本画のような画面の「月」、等々。これらがいずれも野十郎流に落とし込まれていて、観る側にとっては、心の居場所を見つけるような穏やかな気持ちになります。一方で、一人の作家として、表現に対する込み上げる葛藤やエネルギーの表出といった要素は感じません。絵画への探究心や技量に鑑みると、少し残念に思う部分もあります。
没後50年の大掛かりな全国巡回の終盤です。
1年前に千葉県美で見て、今回はその復習でした。他館で見て松涛美術館で再見する人の多くは、千葉県美や大阪中之島などと較べて圧倒的に展示場面積が小さい松涛で、どのように展示されるのか、大いに興味を持つことでしょう。私もそのひとり。
危惧していたのは、他館ではなかった大幅な前後期入替ですが、これは、入替はあるものの総数約170点の1割程度にとどまってました。
では次に、白井晟一建築の個性的な、ホワイトキューブとは程遠い当館で、150もの作品をどうやって並べるの。これは、なかなかの工夫の跡が窺えました。
B1→2Fへの順路。前半のB1展示場を、パネルで目一杯小さく区切って壁面を増やし、間隔狭く横一列に作品を並べている。私が期待していたのは、欧米の邸宅美術館で見られる、建築空間そのままに、横一列ではなく壁面いっぱいに陳列する方式。実は、折角の当館なのに、そういうサイトスペシックな展示をあまり見ていないこともあり。いつかそのうちに。
とはいえ、素敵な松濤美で髙島を見れて、満足度高し。作品との距離感が近く感じました。