5.0
最終日滑り込み。
まさかの最終日まで来れなかったなんて・・・で久々の来訪でした。
もう激混み。見たことない位のレベルで人がいる。
うわぁ~!と思った半面、すごく嬉しかったです。
ただ、浮かれていられたのは玄関まで。
玄関正面の階段に、3枚の布が横断幕のように下がっていたのだが、
向かって一番左の布に釘付けになった。
人を避けながらしばらく眺めて、すごいデザインだなぁ、と思いながら先へ進んだ。
大展示室へ入ると、さっき釘付けになったデザインと似た布がショーケースに飾られていて、みんな写真を撮っている。
奥の方に、さっきのその作品と同シリーズと思しき作品があり、制作年を見るとなんと2010年とあった。
その横の「いいな」と思った作品は、さらに驚きの2016、17年の作品でまたまた衝撃。
もしかしたら今が一番かっこいい作品を作っている気がする。
すごい・・・。
併設展を見ながら、前日に泉屋博古館・東京で見た「安宅コレクション」を思い出していた。
素晴らしい作品ばかりで、解説も丁寧でわかりやすく、面白くてとても為になった。
解説の中に柳宗悦の名前も出てきたし、なんだか日本民藝館にあったらぴったりの作品ばかりで、本当に充実の展覧会を見て上機嫌で帰宅の途に就いた。
そして今日はそれを思い浮かべながら、
民藝館の朝鮮の茶碗の部屋でいつの間にか涙していた。
天下に轟く安宅コレクションの陶磁器も、目の前にある焼き物も素晴らしい以外の言葉もなく、しかし言葉がないということは、やっぱりわかっていないのではないか・・・
素晴らしい、ということだけは間違いはない。
でも深く色々な角度から見ることのできる知識もなければ、
そんなものぶち破るくらいの感性があるわけでもない。
じゃあなんでいいと思うのか?
それはどこかで仕入れた誰かの感性のパクリじゃないのか?
本当に自分の目で、感覚で掴んだものなのか?・・・
次々と湧いてくる厳しい疑問に完全にパニック。背中に嫌な汗が・・・。
浮足立ってた自分に喝入れられたようでショックだったが、
涙が2、3粒こぼれ、じっと花差しを見ていたら落ち着いてきた。
やはりここには魔物が。
そして自分にはホーム。
朝から続いていた頭痛がすっかり消えていた。
落ち着いてから併設展をゆっくり回った。
どれもいいなぁ♡
憑き物が落ちたみたいにリセットされたような気持で、
素直に心から楽しんだ。
渋谷区松濤… Read More