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ちひろが「いわさきちひろ」になるまで。
①みんなが知ってるいわさきちひろの絵が、どういう紆余曲折を経てこのようなスタイルになったのか?
②ちひろの主に長野のアトリエに関して&そのアトリエで描かれた絵本(原画)について
③透明水彩で紙に描かれたちひろの絵は維持が極めて難しく複製化(データ化)を進めており、その解説と複製の展示
です。
①は今まで何度か行っているテーマなので見たことがあるという方も多かったかもしれませんが、デッサンや油絵、初期の作品を見ることができます。
ちひろは戦争中も苦労しながら画業を続けており、時勢が反映した企画だと思いました。
ちなみに2Fの図書室の隅には、ちひろがキエフを訪れた時の絵葉書が展示されており、「街並みが美しくて感動した」などと書かれていました。
つまり、こういう展示を積極的に行う美術館です。昔からそう。さすがです。そしてスタッフの方々が代わっても、そういう意識が引き継がれているのだと思うと嬉しさと敬意でいっぱいになりました。
ここに「大人になること」というちひろの文章が展示されていて、「今が(絵が)上手くなったとは思わないが、もっとへたくそだった若い頃になど絶対戻りたくない」ということが書かれていました。これは大人というものの真理だよなぁと思いましたね。
②長野のアトリエの設計図や実寸大の写真などでアトリエの雰囲気が味わえます。そこで描かれた本3冊の原画の展示もあり。最晩年に伊豆に建てたアトリエは使用することなく亡くなったそうで、最後の気力を振り絞って描いた「戦火のなかの子どもたち」の原画も2枚ありました。
③CANNONさんがデータ化を進めていらっしゃるとのこと。複製見ましたが、物によるかなぁ~・・・全くわからないものもあれば、明らかに違うものも。
今回展示を観ながら明らかに劣化・退色している作品に気づき、以前見てどんな色だったか知っているのでかなりショックでした。自分の眼の劣化もどんどん進んで、やはり同じ絵でも二度と同じようには見られないものなんだなぁ・・・と見る機会をもっと大事にしなきゃなぁ!と思ったのでした。
できたら展示リストを公開して頂きたいですね。
あと、ちひろ美術館・安曇野の方がお休みの時こそ、本当は開いててほしいな。
安曇野ができた当時こちらに来たら、原画があまりにもなくて悲しかったことがありました。
安曇野館は本当に素晴らしいですが、こちらもこ… Read More