佐伯祐三 自画像としての風景

東京ステーションギャラリー

  • 開催期間:2023年1月21日(土)~2023年4月2日(日)
  • クリップ数:94 件
  • 感想・評価:20 件
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佐伯祐三《郵便配達夫》1928年、大阪中之島美術館
《立てる自画像》1924年、大阪中之島美術館
《レストラン(オテル・デュ・マルシェ)》1927年、大阪中之島美術館
佐伯祐三《コルドヌリ(靴屋)》1925年、石橋財団アーティゾン美術館
《モランの寺》1928年、東京国立近代美術館
《下落合風景》1926年頃、和歌山県立近代美術館
《汽船》1926年頃、大阪中之島美術館
《滞船》1926年、ENEOS株式会社
《ガス灯と広告》1927年、東京国立近代美術館
《煉瓦焼》1928年、大阪中之島美術館
佐伯祐三 自画像としての風景 東京ステーションギャラリー-1
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この展覧会についてABOUT THIS EXHIBITION

街に生き 街に死す
描くことに命を捧げた伝説の洋画家

大阪、東京、パリ。3つの街で、画家としての短い生涯を燃焼し尽くした画家、佐伯祐三(1898-1928)。2023年に生誕125年を迎える佐伯の生涯は、多くのドラマと伝説に彩られています。彼が生み出した作品群は、今なお強い輝きを放ち、見る人の心を揺さぶらずにはおきません。

1898年に大阪で生まれた佐伯祐三は、25歳で東京美術学校を卒業し、その年のうちにパリに向かいます。作品を見せたフォーヴィスムの画家ヴラマンクから、「このアカデミック!」と怒声を浴びたことが、佐伯を覚醒させます。2年間の最初のパリ滞在中に、ユトリロやゴッホらからも影響を受け、佐伯の作品は大きな変貌を遂げていきます。1年半の一時帰国を経て、再渡欧したのは1927年のこと。このとき佐伯は29歳になっていました。パリに戻った佐伯は、何かに憑かれたかのように猛烈な勢いで制作を続けますが、結核が悪化して精神的にも追い詰められ、1年後にパリ郊外の病院で亡くなりました。

佐伯にとってパリは特別な街でした。重厚な石造りの街並み、ポスターが貼られた建物の壁、プラタナスの並木道、カフェ、教会、さらには公衆便所までが、傑作を生み出す契機となりました。また、多くの画家たちや作品と出会い、強い刺激を受けたのもパリでのことです。一方で、生誕の地・大阪、学生時代と一時帰国時代を過ごした東京も、佐伯芸術を育んだ重要な街でした。本展では3つの街での佐伯の足跡を追いながら、独創的な佐伯芸術が生成する過程を検証します。

開催概要EVENT DETAILS

会期 2023年1月21日(土)~2023年4月2日(日)
会場 東京ステーションギャラリー Google Map
住所 東京都千代田区丸の内1-9-1
時間 10:00~18:00 (最終入場時間 17:30)
  • ※金曜日は、20:00まで(最終入場時間 19:30)
休館日 月曜日 
3月27日は開館
観覧料 一般 1,400円
高校・大学生 1,200円
中学生以下 無料
  • ※障がい者手帳等持参の方は100円引き(介添者1名は無料)
TEL03-3212-2485
URLhttp://www.ejrcf.or.jp/gallery
割引券http://www.ejrcf.or.jp/gallery/campaign.html

東京ステーションギャラリーの情報はこちらMUSEUM INFORMATION

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巡回展TRAVELING EXHIBITION

佐伯祐三 自画像としての風景 巡回情報
※巡回先は、全情報が載っていない場合もございます。最新の巡回先一覧は、展覧会公式サイトなどでご確認いただけますよう、お願いいたします。
また、会期が変更など開催情報に変更が生じる場合がありますので、お出かけの際には、公式サイトにて最新情報をご確認ください。

感想・評価 | 鑑賞レポートREVIEWS

5.0

天才の時間

前期と後期の2回、鑑賞しました。確か横浜のそごう美術館で過去に行われた展覧会よりも作品数が多くて、初めて佐伯祐三の絵画を観る人にはかなりおすすめできると思いました。「立てる自画像」をあらためて見たところ、26歳頃の作品とわかりました。30歳で亡くなったので、佐伯祐三が「佐伯祐三」になるまで、たった4年くらいしか経っていないことを思うと、やはり天才は違うと感じました。天才の時間のなんと濃密で激しいことか、と同時に自己の時間のなんと希薄で凡庸なことかと感じました。

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murakamiさん、morinousagisanさん、micco3216さん

5.0

佐伯裕三の巴里

見応えがありました。
郵便配達夫やユトリロの絵に似ているノートルダム寺院とか、そして自画像位しか知りませんでした。今回の美術展に行って佐伯裕三が探求し確立しようとした彼独自の画風や構図などの変遷をたどることができて、興味深いを通り越し、今更ながらに天才だったんだと気づかされました。
展示の構成の仕方や、会場の壁の使い方なども作品とあっていてインパクトを与えてくれますね。会場の空間は人の動線は確保しにくく混雑しやすいようですが、今回はしょうがないのかなと。
佐伯裕三の描くパリを通して私のパリが心の中に蘇って、一瞬、時空を超える気分を
味わあせてもらいました。

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takehikoさん、Sukekiyo-Acckermanさん、karachanさん

REPORT

巴里に死す

鬼気迫る絵だ。
おそらく佐伯は自らの死期を悟っていたのだろう。
骨を埋める覚悟で来たパリでの残された時間をただひたすら絵を描くことに費やした。
わずか30年の人生、まだまだ描きたかったに違いない。
でも悔いを残さず燃え尽きたいと…readmore

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murakamiさん、micco3216さん、さいさん、takehikoさん、他1人

5.0

圧巻。

圧巻。
とにかくようこんなに集めたなぁ!!が観終わった一番の感想。
スタッフ様に感謝。
今回twitter見てて、「佐伯祐三ってこんなに人気あるのかぁ!」と驚くほど反応が熱かった。
その熱に完全に煽られて観に行った。
佐伯さんの絵を単体では観たことがあったが、正直その時はそれほど感じるものはなかった。
今回の収穫は、年代順に、相当な作品数観たから得られたものだ。
油絵だからもあるし、私にセンスがないのもあるけれど、特に今まで教科書やら印刷物で見たことがあった代表作の類は信じられないほど印象が変わった。
何より画風ががんがん変わっていく変遷が本物で観られるわけで、本で観てるだけだったら「なるほどなぁ~」で終わってたかもと思うと、本当に自分に対して冷や汗だった。

パリ一回戦目~下落合、後半~パリ2回戦目~絶筆まで、と、どんどんボルテージが上がり続けていく。
パリ2回戦目辺りから、文字やら色んなものがさらにうにゃうにゃと踊り出す辺りがエネルギー量マックスですんごい。
観てるだけで汗が出てくる。
とにかくこちらも、あの絵の具の立体感と照りや筆遣いを心に刻み込んで、思い出す度になぞっている。

混んでるかもですが、それでも行った方がいい。おすすめです。
勧めてくれた方達と、スタッフ様に感謝です。

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karachanさん、morinousagisanさん、micco3216さん、Sukekiyo-Acckermanさん

4.0

混んでいました

開催期間も終盤になり、恐ろしく混んでいて、急かされるように見ました。
混みすぎていて、絵よりも人混みの景色を思い出してしまいます。短い人生の中で描かれた絵は、初期の人の気配と賑やかさを感じる町の絵から、
無機質なパリの町のアバンギャルドな絵まで幅広く展示されていました。個人的にはパリにいる間に描かれた作品の赤と黒の色が好きです。
精神的な不安定さや弱さとは裏腹に、スピード感、勢い、力強さ、迫力感じるものが多く、画家の若さをかんじました。
美術館に対してはもっと人数制限するなど工夫してほしかったです。コロナ禍なので密すぎて怖かったです。

4.0

充実の展示

巡回展が東京で開催だったので、楽しみにしていました。
いつでも行ける場所と思うと、実はなかなか行けなくて、終了間際のタイミングになってしまった。
雨の一日、混雑もありましたが、落合のアトリエは自宅に近く、懐かしい思いもあり、また、結核で亡くなられたこと、お子さんのこと、もっともっと描いてほしかったと思いながら拝見しました。
混雑のため★ひとつ減らしました。
が、充実の展示です。

5.0

赤煉瓦とのマリアージュが素晴しい

巡回展がやってくる!と楽しみにしてました。
写真や友人の日記を除くと、全て佐伯祐三の作品という充実ぶり。
同じ対象だけれどもタッチの違う作品が並べて展示され、見比べられる幸せ。

何よりも、第2展示室(3階)の赤煉瓦の壁と作品のマリアージュが素晴しかったです。
パリの雰囲気を感じました。

「勝浦風景」は、手前の岸壁から向こうに広がる荒海の壮大な感じが印象的でした。
「彌智子」は、柔らかなタッチと色彩で描かれ、天使のようでした。
エピローグの「扉」は、鬼気迫るものがありました。

一人娘も父と同じく結核に罹患し、父親が亡くなって2週間後に6歳でなくなったというエピソードに、フランスで一人になった奥様がお気の毒すぎて・・帰国後に女流画家として活躍した、との解説に救われました。

休日の午後に行ったところ、想像以上の混雑でした。
入り口付近は混んでますが、徐々に緩和され、自分のペースでじっくり鑑賞できました。

ほんと、良い美術展でした。

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uchikoさん

5.0

堪能できました

佐伯祐三の絵画は、現在のアーティゾン美術館がまだブリジストン美術館だった頃に初めて観ました。
パリのカフェの絵画だったのですが、とても素敵で惹かれました
その佐伯の作品がたくさん観られるという事で、今回の美術展を楽しみにしていました。
東京の美術館は今までに何度も何ヵ所も行っていましたが、ステーションギャラリーは初めてだったので、
なおさら期待していました。
ギャラリーのレンガの壁と佐伯のパリの絵画はすごくあっていて、パリにいるような感覚になりました
いい環境で観られてよかったです
今回作品の中で、ルノワールやセザンヌ、ブーダン等の作風に寄せたものもありました
器用だなぁと思ったり、色々と作品を作り上げる上で思考錯誤していたのかなぁと思ったり、
とても興味深かったです
今回は今まで知らなかった佐伯の作品がたくさん観られて、満足して帰ってきました
これからも注目していきたいと思います

REPORT

展示室で「佐伯芸術の魅力」をどれだけ発見できますか!

最近の「東京ステーションギャラリー」サマの展覧会が見応え抜群ということ、既に周知のことかと。。。「佐伯祐三」展も、期待を遥かに超えた展示でした。特に素敵だと心打たれたことは、佐伯作品と展示の背景となる「赤レンガ」の調和の素…readmore

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morinousagisanさん
  • VIEW1481
  • THANKS1
  • BY moca

5.0

夭折なのに多作

子供のころから好きな画家だったので、大概の展覧会には行っているが、それでも初見のものが沢山あったし、何といっても量に圧倒された。
大阪が買い集めていたものが、ようやくまとまって日の目を見ることになって本当によかった。

今回興味深かったのは、同じ構図の絵を1枚は端正に、もう1枚は少し荒くゆがんだ感じに描いているものが3セットもあったこと。どれも見覚えがあるけれど並んでいるのが本当に面白かった。(それとは別に郵便配達夫も2枚)
また、ゴッホと同じ教会を描いたものは、頭の中でゴッホと並べてしまった。

それにしても不思議なのは、先日見たマン・レイなどとほぼ同時代なのに、あのあたりと接点は全くなかったのか・・・?
唯一、どの絵だったか壁に貼られたポスターの中にジョセフィン・ベイカーらしき?絵が見えたけど。

混んでいることを覚悟して行ったが、流れが速く?思いのほかゆっくり見ることができた。

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morinousagisanさん、micco3216さん

5.0

迷いや苦しみの中で表現を確立していったところに人間を感じた

ヴラマンクに「アカデミック」と罵られた話が印象的。
1章の作品群から「分かりやすく理論的に絵を描く人だ」と感じていたため、アカデミックというワードに合点がいく。
挫折を味わい作品がどう変化していくかに興味を煽られた。

2章から、佐伯祐三を象徴する表現手法が確立される過程を見た。
繊細な線で書き込まれた文字や、荒い輪郭で何度も塗り重ねたり削ったりしてできるマチエールなど、表現手法が確立されつつも、絵の中に迷いや焦りが膨らんでいくのを感じた。
それでも、3章 モラン滞在下で制作した「煉瓦焼場」は、追い込むことで自分を乗り越え、何かの境地に達したことが伝わり、感銘を受けた。

挫折を味わい、本当に描きたいものを追求し続け、迷いや苦しみの中で表現を確立していったところに人間を感じることができた。
「夭折の天才」というのは、本当にそうだと思った。

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morinousagisanさん、micco3216さん

5.0

寂寥感漂う風景に惹きこまれる

改めて佐伯祐三の人気を再認識させられました。平日でも多数の来場者が来ていて、少し狭い会場ですから、混雑しています。とりわけ入口は滞留しちゃいます。
もっと広い美術館でやって欲しかったと最初は思いましたが、会場を巡っていくと、東京ステーションギャラリーならではのかつての東京駅で使われていた赤レンガの壁が、佐伯祐三が描くパリの街角に通じるものがあって、やっぱりここが合っているんだなと実感しました。
佐伯祐三は、2度目の渡欧の翌年30歳で亡くなるまで、まさに命を削るかのように絵を描きました。ポスターや看板の文字が軽やかに踊るパリの風景には、軽快な旋律と同時に一抹の寂寥感が漂います。街に佇む人は、どことなく寂しげに見えます。そんな生き様が投影されたような作品に惹きこまれます。

なお音声ガイドナビゲーターを有働由美子さんが担当されていて、スマホのアプリで聴くことができます。大阪の北野高校卒ということで、佐伯祐三の後輩にあたる縁だそうです。とても良い音声ガイドでした。このアプリは予習・復習にも使えて便利です。

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Ma2yさん、micco3216さん

5.0

ここまでとは思いませんでした。素晴らしかったです。ホント、これを見ないなんてもったいない!

夭折の画家佐伯祐三の魅力が、東京SGの古煉瓦やRC打ちっぱなしの壁に浸みこむ様に妙に馴染み、まるでパリの裏通りにいるかのような感覚で鑑賞して回れました。2005年に練馬で観た回顧展以来の佐伯ファンで、2008年そごうで、その後も国立近代やらブリヂストンやらポーラやら色々で数点は出会う機会はありましたが、アトリエもあるのに、東京近郊では大阪方面ほど大きな企画展は組まれていなかったと思います。ですから今回、大阪中之島美術館がお持ちのものが多い様ですし、これほどまでに質と量の伴った佐伯作品を一度に観れる機会は、東京近郊ではきっともうないかも知れません。特に佐伯ファンでなくてもぜひ、この機会に観ておいていただきたい展覧会かと思います。特におすすめなのは二度目の渡仏時代の作品です。死期を意識して命をも削るようにとにかく描きまくる、意識的速描き。速く描くことで生まれる、キャンバスをも飛び出す勢い、躍動感生命感大胆さ、その一方で、何故かとても品よくまとまりのある美しさ、バランス感があり、それがタマラナイのです。

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morinousagisanさん

4.0

パリの街角を歩いている気分に

佐伯祐三展は初めて。東京ステーションギャラリーも初めて。
佐伯の絵画も良かったけれど、東京駅舎の創建当時のブロックがむき出しに残っているこのギャラリー自体がなかなか良かった。
佐伯の自画像、下落合の街並み、パリの街並み、パリ郊外のモラン教会の一連の絵画。
自分がパリに行ったのはもう30年前と40年前くらいだけど、パリは100年経とうと200年経とうと変わらないんだなあと思った。佐伯の絵を観ながらまるでパリを散策している気分になり、とっても楽しかった。
30歳という若さで亡くなり幼い娘も後追いするように同じ結核で亡くなったのが何とも痛ましかった。娘さんの可愛い絵がひときわ輝いて見えました。

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micco3216さん

4.0

迸る創造のエネルギー

短い生涯を、描いて描いて駆け抜けた佐伯祐三。その全容がわかる。
初期の自画像。顔の部分を削ったのは自画像との決別か。最初のパリの風景(壁のパリ)。帰国してからの下落合風景と大阪の滞船は懐かしいが、どうしてもパリに戻らなければなかったのだろう。2度目の、そして最後のパリ(線のパリ)とモランの風景。この迸る創造のエネルギー、激しい生きざまは、ゴッホのそれに重なってくるようだ。祐三は描かなければならなかった、憑かれたように。それがよくわかる展覧会。
ステーションギャラリーの煉瓦の展示室はパリの街の一角のような雰囲気で、作品と溶けあっている。広告のシリーズは、目が離せなくなるほどの磁力がある。娘(祐三のあとを追うように6歳で亡くなった)を描いた彌智子像は、暖色系の作品で見つめる目は優しい。絶筆とされる扉はわずかに開いている。壁という外側から中へのいざない。そこには何があったのだろうか。
国内の作品を集結させたという展覧会。会期中に、もう一度足を運びたい。

THANKS!をクリックしたユーザー
morinousagisanさん

4.0

充分すぎる点数で佐伯祐三を掴む

圧倒的な展示数!ごく初期の”誰か風”作品から、下落合の風景など日本での作品も多数。
パリの作品においては、同じモチーフのヴァージョン違いも並べて展示の至れり尽くせり。
パリ時代の街のポスターの筆致は、現代的な方向へ進むかのように踊り、
画面構成も、独自のモノへと変化していく様相を見せ始めていた。
突き進んでいく佐伯祐三の足跡を充分にたどることができる展覧会だった。

ステーションギャラリーの煉瓦の壁も実にマッチしている。
入場してすぐに「立てる自画像」があり、いきなり渋滞するのが惜しい。

1月31日(火)10時半入館。割と混んでいた。

THANKS!をクリックしたユーザー
micco3216さん、morinousagisanさん、karachanさん、さいさん

4.0

言ってみたいな「このアカデミックめ!」

凄いな
画家がどのように模索し解体し再構成していくか
興味の移り変わり展示を追うことで手に取るように実感できる

ポスターや看板に注目し踊るような線で描かれるようになったのなんてまさに
「自分の積み上げてきたものを自分で解体」しているまさにその過程じゃないか

常に今に満足せずに次の表現を模索し続ける姿勢
(もしかしたら停滞してしまうことへの不安や恐怖だったのかもしれないけど)
力強い、エネルギッシュさを感じずにはいられない

下落合の風景は「どこの風景を描いたか」の地図の掲示があるので
「ちょっと高田馬場まで足を延ばしてみようかな」
という興味を掻き立ててくれる

佐伯祐三という名前は知らなかったけど
キービジュアルにもなっている「郵便配達夫」は覚えがあったので
展示に興味を惹かれたのだけど
思ったよりも楽しめる展示だった

行った時間がまずかったのか、やや混雑気味で
あまりゆっくり見れなかったのだけが残念ではあったけどね

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morinousagisanさん、micco3216さん

5.0

必見!

佐伯祐三、すごく良かったです!

純度100%、展示は佐伯祐三のみで中之島美術館コレクションがかなり充実しています。
自画像、下落合、滞船、肖像画、静物、パリと代表作が多く出品されています。
贔屓目に見てしまいますが佐伯は駄作がなくて、本当に全部カッコいい!
欲しいのは30分で描いたというカニ、素敵です。

今回たくさんの作品の絵肌を見て高麗茶碗や黄瀬戸志野織部など美濃焼を彷彿とさせる瞬間が多数あって
絵の一部にフォーカスしても絵になってしまうところが茶陶に似ているような気付きが新鮮でした。

熱心なファンを中心にとっても賑わっていました。
藤田は別格にしても佐伯がこんなにも人気のある洋画家だとは思っていませんでした。

唯一惜しいのが、開催会場の東京SGがいまだに年パスを再開していないこと。
本展以降も魅力的な展示が続くのでここは是非とも年パス復活をお願いしたい本当に。

東京SGで開催する価値のある大変素晴らしい展覧会です。
佐伯ファンは必見、オススメします!

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fumiko773さん、シンディさん、morinousagisanさん、micco3216さん、ARTさん、他1人

5.0

ステーションギャラリー✕佐伯作品の素晴らしいこと!

2008年秋の没後80年記念展を大阪市立美術館で観てから佐伯祐三の大大大ファンです。
今回の佐伯祐三展は作品のカテゴライズとその豊富な数、写真やハガキも含んだ作品順、
キャプションの内容、すべてが素晴らしかったです!

特に、ステーションギャラリーのところどころにあるレンガの壁に佐伯作品がおそろしく
マッチしていて、まるで佐伯祐三が存在したパリの街角に作品が掲げられているような気持ちに。
いろんな展覧会で何度も観て慣れ親しんだ作品も多数ありましたが、この美術館での展示で
更に素敵な作品に観えて、ますます大ファンになりました。
間違いなく巡回される大阪中之島美術館にも参りますが、このコラボレーションによる
相乗効果は味わえないと思います、、、東京で鑑賞できて本当に良かったです!

初めて観た「にんじん」のみずみずしさに感嘆して持ち主の方を羨んだり(笑)、
初公開という「大谷(兄妹)像」が大阪市立近代美術館(仮称)心斎橋準備室時代から
何度も通っていたのに何故その時から観せてくれてなかったの?!と少しうらめしく
思ったり、昔から一番好きな「カフェ・レストラン」がなかなか出てこないので心配に
なったときに、やはりレンガ壁に掛けられていて嬉しくなったり、、、自分の感情もたくさん動く展覧会でした。

初日の土曜日の15時頃。意外にも混んでなくてゆったり、じっくり堪能できたことにも
大満足で、その後は静嘉堂文庫を楽しんでから関西へ戻るだけという旅程でしたので
重いのに図録を思い切って購入したほどでした。
私の中では過去最高の佐伯祐三展。本当に本当に素晴らしかったです!

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シンディさん、micco3216さん、ARTさん、黒豆さん、morinousagisanさん、他1人

REPORT

佐伯と共に世界を巡る

いゃあーー、実におもしろかった!楽しかった!大満足である。
大阪、東京、パリ。もっと細かく言えば下落合やモランなど、その土地土地での
風景を描いているのだが、その時の佐伯の心理描写まで反映しているかの様で
ただの風景画に収まっ…readmore

THANKS!をクリックしたユーザー
黒豆さん、fumiko773さん、morinousagisanさん、ユコさん、Sukekiyo-Acckermanさん、他5人

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