和漢と茶の湯@正木美術館
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- by morinousagisan

7月から夏休み向けの展覧会が始まるので、時間のある6月中にと思い、「茶の湯」の展覧会ということもあり、かねてより訪れてみたいと思っていた正木美術館へ会期末に行ってきました。AAの美術館や展覧会情報に掲載があればそこに投稿したかったのですが、正木美術館の掲載はなく、展示室内もちろん撮影不可なので美術館の外観の画像をあげておきます。
展示は、大燈国師の国宝の墨蹟から始まります。展示ケースが高くかなり見上げる感じで二幅のお軸が掛かっていました。
『大燈国師墨蹟(渓林偈・南嶽偈)』大燈国師(大徳寺開山 宗峰妙超)が南宋の禅僧・虚堂智愚の偈を写したもので、大燈国師と虚堂智愚という禅僧の二大巨頭となれば当然「国宝」となるのでしょう。鴻池家旧蔵です。 ⇒◆
高麗茶碗が好きな私《熊川茶碗 銘たちばな》をじっくり拝見して、並びには《大名物 唐物肩付茶入 銘有明 番外 紹鴎松ノ木盆》「大名物!」を拝見する。こちらは会津松平家旧蔵。
歌仙絵が並びます。《三十六歌仙絵 斎宮女御》は、なんと立ち姿でした。『佐竹本三十六歌仙絵』の「斎宮女御」は観たことがないので死ぬまでに観たい作品の1つです。
《歌仙絵 藤原敦忠》俵屋宗達が絵を、烏丸光広が詞とあり、はっ!大好きな『蔦の細道図屛風』のコンビです。
お向かいの展示ケースには、《茶杓 銘ゆみ竹》千利休作とあるからこそな感じです。下削りの人がいたとしても利休自ら最後は仕上げたと思うと感慨深い。その横には思いがけずノンカウの《赤楽茶碗 銘武蔵野》が現れて静かにテンションが上がりました。貫入が全体に入っていました。何とも言えない色合いが武蔵野なのかしらと適当なことを思い、道入と知ってからなのかもですが、やはり華やかに映る。
重要文化財《蓮図》能阿弥自画賛 今回の訪問の最大のお目当てです。同朋衆の一人である能阿弥筆で、画中の賛も能阿弥です。その年紀から死の前年に描いた絶筆にして、自画賛は能阿弥の辞世の句だそうです。淡墨のこんな絵が魅力を持つのが禅の世界なのかも。濃淡の水墨が宗達筆《蓮池水禽図》にも通じるように思ってしまいました。このお軸の前にはかせた伝長次郎作《黒楽茶碗 銘両国》良き取り合わせです。⇒◆
第二展示室には漆芸作品。二階にも展示がありました。
呉春筆《休息歌仙絵巻》歌仙たちがめっちゃ寛いでいてほほえましい呉春ならではの絵巻かと思いましたが、立圃筆《休息歌仙図》を元にしていました。俳画も描く呉春の筆によるゆるい歌仙たちが良きでした。〆作品は、吉田兼好筆《古今和歌集》兼好の直筆写本もお持ちです。

美術館にあった忠岡町紹介リーフレット見れば美術館への道順も一目瞭然でしたが、マップで調べて印刷していったにもかかわらず、駅降りた時点で「あれっ?」と戸惑いました。民家が立ち並ぶ中へ入っていくと、趣あるお宅も少なくありません。お庭の手入れをされている庭師さんに伺うとおうちの方にお尋ねくださり、道順を教えて頂きましたが、私が心もとない感じだったのでしょう、そのご婦人が自転車でわざわざ追いかけてきて「そこ曲がってまっすぐ行ったら左手に見えてきます」と教えてくださり、ご親切に感謝でした。
正木美術館がある忠岡町は「日本一小さなまち」なのだそうです。泉州はかつて繊維産業が栄えていました。正木美術館の創設者 正木孝之(1895-1985)は、映画館経営で財をなした人だったようで、時代を読むことが出来る人だったのでしょう。戦後の混乱期の、いわゆる近代数寄者など豪商や財閥系のコレクションの売立を機に蒐集に乗り出されたようです。世の混乱期には美術品が動くとよく聞きますがまさにそれです。正木美術館のコレクションは、国宝3件、重要文化財13件を含む約1300点で、優品が多い。昭和24年に正木孝之氏が設計した自邸は、現在、美術館の施設「正木記念邸」(国の登録有形文化財)として、展覧会開催中公開日を設けて公開されています。こちらの茶室も拝見したかったのですが、土日祝の公開となっていました。もう少し季節の良い時期に再訪できたらと思います。
【開催概要】
- 会期:令和8年 4月4日(土)〜7月5日(日)
【前期】4月4日(土)〜5月10日(日)/【後期】5月14日(木)〜7月5日(日)
- 開館時間:10:00~16:30 ※最終入館は16:00
- 休館日:月曜日
- 入館料:一般 700円 高・大生 500円 小・中生 300円
- 美術館HP:https://masaki-art-museum.jp/