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100年に一度の大規模展覧会「聖徳太子と法隆寺」

聖徳太子1400年遠忌(おんき)記念 特別展「聖徳太子と法隆寺」の記者発表にオンラインで参加しました。

本展は4月27日(火)から6月20日(日)まで奈良国立博物館で開催され、その後東京国立博物館(会期:7月13日~9月5日)へ巡回します。

奈良国立博物館でのチケット発売前日にこの記者発表が行われました。未だコロナ禍の中チケットは事前予約(優先)制となっており、当日券も会場にて若干数発売されますが、「前売日時指定券」が優先です。(詳しくは⇒


さて、本題の展覧会の内容について

遠忌」とは五十年忌、百年忌など、没後長い期間を経て行われる仏事のことを言います。そして今年2021年は聖徳太子没後1400年の遠忌にあたり、それを記念する特別展が開催されることになりました。展示件数のうち御物2件、国宝35件、重要文化財75件が出陳予定で、これらは総展示件数の6割にあたります。聖徳太子展や法隆寺展と称する展覧会はしばしば開催されてきましたが、本展は最大規模の展覧会となっているようです。


展覧会は、5章構成となっています。

第1章 聖徳太子と仏法興隆

太子ゆかりの品々を通じて太子その人と最初期の日本仏教を概観する章です。

注目展示では、

・御物『聖徳太子二王子像(唐本御影・法隆寺献納)』4/27~5/16限定展示。

・聖徳太子の自筆と伝わる 御物『法華義疏 巻第三(法隆寺献納)』5/18~6/20

・渡来人仏師「鞍作止利(くらつくりのとり)」は歴史で習いました。その止利派の作と言われる金銅仏三軀が揃って展示されます。


第2章 法隆寺の創建

聖徳太子がそのお住まいであった斑鳩宮(いかるがのみや)のお隣に法隆寺を創建したのが、『法隆寺資材帳』の記載によれば推古天皇15年(607)です。この年は小野妹子が遣隋使として中国大陸に派遣された年でもあり、歴史的に重要な年です。

この章では、法隆寺の荘厳美術を展示し、古代染色美術にも迫る展示となっているようです。平成30年に奈良博で開催された「糸のみほとけ」展で拝見した 国宝『天寿国繡帳』が東京会場 前期で展示されますので、お見逃しなく。


第3章 法隆寺東院とその宝物

荒廃していた斑鳩宮の跡地に天平11年(739)に建立されたのが東院伽藍で、その中心となるのがかの八角形の夢殿、その本尊が太子等身と伝わる「救世観音像」です。この章では、この東院伽藍にまつわる展示となっています。

※参考:法隆寺HP

夢殿後方の絵殿と舎利殿には「聖徳太子絵伝」と「南無仏舎利」が安置されています。

奈良博では 国宝『聖徳太子絵伝』全10面が一挙公開(前期)され、東博では『南無仏舎利』が展示され、必見です。

悪夢を吉夢に変えてくれるという「夢違観音」の名を持つ 国宝『観音菩薩立像』を拝顔するのも楽しみです。


第4章 聖徳太子と仏の姿

平安時代になると太子は救世観音の生まれ変わりとして「太子信仰」が広がり、様々な太子像が作られました。

太子信仰の対象となった代表作が、法隆寺聖霊院(しょうりょういん)の 国宝『聖徳太子および侍者像』で、聖徳太子500年遠忌に制作されました。この秘仏が展示されます。威厳に満ちた太子の姿とちょっとおどけたような侍者を間近で拝見できる超貴重な機会になっていますので、こちらもお見逃しなく!


第5章 法隆寺金堂と五重塔

聖徳太子が創建した法隆寺最初の伽藍(若草伽藍)は天智天皇9年(670)に焼失したと『日本書紀』に記されています。その後8世紀の初めまでに再建されたのが金堂、五重塔を中心とする西院伽藍です。金堂は世界最古の木造建築としても名高い。

この章では、金堂と五重塔ゆかりの仏像と貴重な品々が展示されます。

・金堂東の間の本尊 国宝『薬師如来坐像』が寺外へお出ましになります。

・金堂内陣四隅を守る日本最古の四天王像のうち、後方の国宝『四天王立像 広目天』と国宝『四天王立像 多聞天』が間近に!

・教科書でも習う 国宝『玉虫厨子』古代仏教工芸の代表作、かすかに残る玉虫の羽を見つけたい。奈良会場のだけの展示になになります。


記者発表では、この展覧会開催に際して行われたX線CTスキャン調査による、奈良・法起寺の如来立像と奈良・成福寺の聖徳太子立像(孝養像)の新知見についても発表がありました。同二像ともに展示されますので、チェックお忘れなく。


奈良博と東博では展示が異なるものもあり、また会期中には前後期で展示替えがありますのでご注意ください。奈良会場の作品リストは公式サイトに公開されていますので、出品作品と展示期間などご確認ください。

100年に一度の展覧会ということだけに、法隆寺の秘宝、宝物がこれまでにない規模で展示されます。また、奈良博では、廃仏毀釈の動乱から法隆寺と宝物を守るために、明治11年(1878)皇室に献納された作品群である「法隆寺献納宝物」(現在は東京国立博物館所蔵)がまとまって里帰りする展示ともなっています。


1400年という時を超えて、聖徳太子とはどんな人物であったのかを深く知り、太子信仰に思いをよせる展覧会となることでしょう。

公式サイト:https://tsumugu.yomiuri.co.jp/horyuji2021

開催概要等⇒


プロフィール

morinousagisan
阪神間在住。京都奈良辺りまで平日に出かけています。美術はまるで素人ですが、美術館へ出かけるのが大好きです。出かけた展覧会を出来るだけレポートしたいと思っております。
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