アーティスト・イン・ミュージアム Vol.19 さとうくみ子(岐阜県美術館)

はじめに.
岐阜県美術館のアトリエで、さとうくみ子の「アーティスト・イン・ミュージアム」が開催中だ。「アーティスト・イン・ミュージアム」とは、一定期間、美術館の施設にアーティストが滞在し、作品の公開制作やワークショップ、トークなどを行う企画のこと。アーティストに質問したり、アートが生まれる瞬間を体験したり、時には制作に参加できる興味深い機会だ。
作家は、岐阜県可児市出身。愛知県立芸術大学大学院を修了し、現在は関東地方を拠点に活動している。「日常の中のささやかな引っかかりや高鳴り」を制作のはじまりにしており、段ボールなどの身近な素材を使い、とてもユニークな作品を見せてくれる。近年は、名古屋や横浜の展覧会の他、2024年のTOKYO MIDTOWN AWARD アートコンペでのグランプリが記憶に新しい。
アトリエにて
入口を入ると「鵜」をデザインした行先表示があり、「アトリエ」となっていれば、アーティストは在室。(期間中、不在の場合あり)

広々とした室内には、アトリエらしく、作業台、材料、道具類などが並んでいる。作業台の上には、カッターナイフやボンドが並んでおり、「手作業が好き」な作家らしい。道具類は、通常の展覧会では展示されないので興味深い。

今回の公開制作は、岐阜県の長良川で行われる「鵜飼」をテーマにしている。アトリエの中央に置かれた大きな立体の作品名は「ノドタメルーム」。縦に細長い部分が筒状になっており、手の平サイズの吊り篭を使い、ものを出し入れできる。その下の大きな部分は、後ろから人が入れるようになっている。おなかの中で、何がおこるかは参加してのお楽しみ。

公開制作された作品が、鵜籠(鵜を入れておく竹製の籠)をモチーフにした台の上に展示されている。その右側のドローイングを見ると、鵜のように縄でつながれた人物が描かれている。この人物は作家自身のようだ。「鵜飼」をテーマにした作家にとって、このアトリエは、縄に縛られない、自由で使い心地の良い場所なのだろうか。会う機会があれば聞いてみたい。

おわりに
作家によるワークショップは4月26日に終了したが、アーティストトークが5月16日に開催される予定だ。興味のある方は、ぜひ参加して、気になることを質問してみよう。
展覧会名 アーティスト・イン・ミュージアム Vol.19 さとうくみ子
会期 2026年4月9日から5月24日
会場 岐阜県美術館
詳しくは、https://kenbi.pref.gifu.lg.jp/events/aim19/