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REPORTS【レポート】

ウルス・フィッシャー 間違い探し-Spot the Difference

展示風景 《Mirror》部分

はじめに.

表参道のファーガス・マカフリー東京で、ウルス・フィッシャーの日本初個展「間違い探し-Spot the Difference」が開催されている。フィッシャーの作品は、ユーモラスでありながら、永続性と一時性、精神と身体、実像と虚像などの二項対立の気づきを鑑賞者に呼び起こす。

本展では、1階のスペースにフィッシャーの代表的な「キャンドル・ポートレート」が展示され、地下のスペースに彩色ブロンズ彫刻とドローイングが展示される。


1階スペース

展示された「キャンドル・ポートレート」は、作家本人をかたどっており、ふっくらとした男性像になっている。本作には、バースデーケーキのように火が灯され、その熱で溶けた蝋が細長く滴り落ちている。すでに後頭部を失ったポートレートを見ていると、いずれ消え失せる宿命が強く意識される。ところで、本作の置かれた展示室の壁面には大きな穴が開けられている。以前は白い壁で仕切られた2つの展示室だったが、穴のおかげで、どちらからも壁の向こう側の展示がよく見える。そして、穴の空いた壁の向こうにも、同じようなポートレートが置かれていることに気づく。鏡写しの仕掛けで表現された美術作品の永続性と物質としての一時性の対比が、とても興味深い。それにしても、ずいぶんと思い切った展示室の使い方だ。


展示風景 《Mirror》

地下スペース

ネタバラシにならないよう、曖昧な印象だけ、お伝えしよう。ヒントは、床および壁面を使ったロールシャッハ的な没入的インスタレーションであり、自己反射的な「鏡の間」ということ。壁と床の境目で折り曲げるとどうなるか。この展示の面白さは、ぜひご自身で見つけて欲しい。


展示風景

おわりに

会期は7月までだが、ポートレートは、だんだんと燃えて消えていくので、作家の面影のあるうちに、一度は見ておいて欲しい。そして、本作に限らず、美術作品として永続的に残るものと、消えていくものの喪失感について、少しだけ考えてみて欲しい。



展覧会名 ウルス・フィッシャー 間違い探し-Spot the Difference

会期 2026年4月11日から7月5日

会場 ファーガス・マカフリー東京


プロフィール

ヒロ
現代アートを中心に、展覧会やアートフェアを見ています。
展覧会やアートフェアで、ピンとくる作品に出合えると、うれしいです!
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